自筆証書遺言保管制度③

こんにちは。佐賀の女性行政書士、天山です。

本日は、閲覧申請の手続についてです。ちなみに、これからご説明することは、遺言書を書いた方が亡くなった後にする手続です。

遺言書を閲覧する方法

手続きを行えば、預けられている遺言書を閲覧することが出来ます。

閲覧申請が認められているのは、相続人・受遺者・遺言執行人です。受遺者というのは、遺言書の中で法定相続人以外で遺産の相続する人として指定されている人です。遺言執行人とは、遺言内容を実現する人として遺言書の中で指定されている人です。

手続きの流れは以下の通りです。

  1. 閲覧請求をする法務局を確認する
  2. 請求書を作成する
  3. 閲覧請求の予約をする
  4. 閲覧の請求をする
  5. 閲覧する
  6. その他の相続人等に通知される

それでは、各段階での注意点を見ていきます。

1.閲覧請求をする法務局を確認する

閲覧請求には、モニター閲覧原本の閲覧の2種類があり、モニター閲覧は全国の法務局で請求可能ですが、原本の閲覧は遺言書が保管されている法務局でのみ請求可能です。

2.請求書を作成する

請求書はインターネットまたは法務局の窓口で入手できます。

3.閲覧請求の予約をする

法務局の予約専用ページからネット予約または電話にて予約をします。

4.閲覧の請求をする

申請の際には、申請書のほかにいくつか添付書類が必要です。

  • 遺言者の死亡が確認できる戸籍(除籍)謄本
  • 請求する人の住民票の写し

それに加えて請求する人によって、必要になる書類があります。

相続人が請求する場合は、遺言者の相続人であることを証明する戸籍謄本が必要です。

請求人が法人である場合は、法人の代表者事項証明書が必要です。

相続人が未成年である等で法定代理人が請求する場合は、戸籍謄本(親権者)、登記事項証明書(後見人等)が必要となります。

また、本人確認として運転免許証等の顔写真付きの身分証明書の提示が必要です。

手数料を収入印紙で納める必要があり、モニター閲覧の場合は一回1,400円、原本閲覧の場合は一回1,700円がかかります。

6.他の相続人への通知

閲覧請求がされると、他の相続人へ通知されますが、遺言書を書いた人が亡くなった後に、相続人等の一人が請求をしてはじめて他の相続人へ通知が行くわけです。ですから、相続人等のうち少なくとも一人が遺言書の存在を知っておかないとそもそも閲覧請求がなされない可能性もあります。

まだ、始まったばかりの制度ですから、まだ分からない部分も多くありますが、うまく活用されていくことを願います。