遺言書の種類②~公正証書遺言~

こんにちは。佐賀の女性行政書士、天山です。

本日は公正証書遺言についてお伝えします。

前回の記事でもお伝えしていますが、遺言の最も重要な役割は争族(相続争い)を予防するということです。

遺言書の種類①~自筆証書遺言~http://ameyamaeriko.net/archives/70

遺言を書けば絶対に争族が起こらないとは言いきれませんが、本日お伝えする公正証書遺言は、予防法務の観点からは最も安全性が高いといえると思います。

公正証書遺言の特徴

公正証書遺言の特徴は以下の通りです。

  • 原本が公証役場に保管されるため、偽造・変造・毀損などの危険がない
  • 家庭裁判所による検認手続きが不要
  • 専門家が作成するので要件を満たさず無効になることはない

自筆証書遺言の場合は、形式的には有効でも内容が明確ではなかったり、相続財産の特定が不十分であるため、相続手続が困難になってしまったり、遺言内容の解釈について訴訟で解決せざるを得ない場合があります。

自筆証書遺言に比べると、作成に時間がかかる場合がありますし費用も掛かりますが、メリットもたくさんあります。

公正証書遺言作成の流れ

以下は一般的な手順となります。

  1. 遺言作成を希望する人が公証役場へ行き打ち合わせをする
  2. 公証人が遺言の原案を作る
  3. 遺言作成希望者がその内容を見て、公証人と相談しながら最終的な原案を確定する
  4. 公証役場にて、公証人が原案に基づいてあらかじめ作成しておいた遺言の内容を読み上げる(または閲覧)
  5. 間違いなければ、遺言者・公証人・証人2人以上がそれぞれ署名・押印をする

場合によっては、自宅や病院へ公証人が出張することもありますし、手順が変わることもあります。

公正証書遺言は、その内容は必ず本人が公証人に伝える必要があり、最初から最後まですべて代理人が公証人とやり取りをするということはあり得ません。

このように、公正証書遺言はかなり厳格な方式で作成されるため、のちに争いが起こる可能性が低いと言えます。

このブログで何度もお伝えしているように、遺言は争いを予防するために作ります。公正証書遺言は、争いを防ぐ安全性を高めるためにとても有効な方法といえます。

公正証書遺言を作成するためには、相続人や相続財産を確定するために様々な書類が必要となります。慣れていない方がそれらの書類を集めるのは大変ですし、時間がかかります。

その間に、遺言者や本来推定相続人であった方が亡くなってしまうこともあります。こうなると手続が煩雑になったり、疎遠だった親せきと連絡を取る必要が出てきたりと、トラブルのもとになりかねません。

遺言の作成は、ときにスピードとの勝負になることもあります。そんな時には、専門家に相談されることをお勧めいたします。